2020年5月21日木曜日

思うがままに行くが良い

これを見てガハクが言う。「好きなように彫ってるねえ。これは相当良くなるぞ。もっと何年もかかるかもしれないけど『思うがままに行くが良い』」ロシアの詩人の言葉を添えて二階に上がって行った。ガハクは夜も絵を描くようになった。体力が戻ったと同時に、気力も満ちて来たようだ。

思うがままに行くが良い 信じるままに
情熱などあざ笑え 
彼らの言う『情熱』は心の活力でしかない 
魂と外界の衝突でしかない

大切なのは自分を信じること
子供のように無力になること
無力こそ偉大なのだ
力に価値はない
人は無力かつ無防備に生まれ
死ぬ時は乾いて固まる

木もそうだ
しなやかに育ち 
乾いて硬直して枯れてゆく

硬直と力は隣り合わせだ
柔軟さと無力は生命の源
硬直したものに勝利はない
(タルコフスキーが大好きだった19世紀ロシアの象徴派詩人フョードル・チュッチェフの作。映画『ストーカー』の中にも使われている)

 翼を大きくした。尾羽を後ろにそらせた。やわらかな袖にしている。手と胸をもっとやわらかくしたい。(K)


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