2020年1月3日金曜日

後ろ髪

大晦日にガハクの床屋をしたら、いつになく上手く刈れてとても満足した。そしてその夜いつものようにアトリエで彫り始めたら、彫刻の方がモデルよりも先行しているのが分かった。

画家が(ピカソだったか?)、肖像の依頼主から絵の中の人物が自分に似ていないと文句を言われた時に「そのうちあなたの方がこの絵に似てくるから心配するな」と、そのクレームに全く取り合わなかったそうだ。

人の内側まで見通す目を持つ必要なんかちっともなくて、外側にすでに出ているものをじっと見つめるだけでいいんだ。気質を知ると形の方が勝手にすーっと湧いてくる。それに反応して素直に手を動かすだけだ。

今夜は後ろ髪から降りている細い捻紐を丹念に彫った、二重らせん構造のDNAを思い出しながら 。(K)


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