2019年4月29日月曜日

ふたりの手

若い頃に彫ったものだ。いつもこの辺りでやめている。これも完成させておきたい。今なら出来るだろう。ガハクは腕の間を彫り抜いたらどうだろうと言う。多分そこに風が抜けたら収拾がつかなくなるのが怖いからやらなかったのだ。まだ30代の頃だもの。空間が抜けると素っ気なくて器物的になって神秘性がなくなるのが分かっていたからだな。今は感覚的なものに惑わされなくなったからその先に進める。形は抽象を経て霊的な領域に入って行くんだ。そこでは美しいものは善いもので香りで判別される。この中にある汚れと曖昧さをゆっくり削り落として行こう。(K)


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