2019年3月23日土曜日

進化の中で

もう人生も終わりに差し掛かってやっと進化を遂げた。形を直すと内側から柔らかさが出て来る。どんどん彫り直して行くつもりだ。あと10年生きられたら進化の跡をはっきりと残すことが出来るだろう。とにかく分かったことは刻んでおこう。

トワンの目が白く曇っていたのに最期の頃になって急に澄んだのは、目があまり見えなくなっていたんじゃないか。 そういう気がして来た。ゆっくりと死に向かって行くとき、まわりの風景は夕暮れの中にいるように暗くぼんやりとしていくのかな。だから、最後の夜ガハクの布団に寝そべってパパの匂いに包まれてみたくなったのだ。

ゆうべ掛け布団を取り違えてしまったのを気付かずそのまま寝た。ガハクもぜんぜん気が付かなかったようだ。匂いが変わった。互いの体臭が消えた。(K)


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