2018年7月29日日曜日

形の必然

予報よりも早くやって来た台風の雨がトタン屋根を激しく打ち鳴らす音を聞きながら、雲の襞に砥石をかけていた。雨の音が気持ち良くて(いつもなら耳栓をするのだけれど)3時間ぶっ続けに削って、外がすっかり暗くなる直前に帰路に着いた。路上には小枝や葉っぱが散って、山がざわざわと揺れている。台風の日でも雨に濡れずに雨具も着ないで屋根の下で彫刻ができるなんて、幸せだ。この土地に仕事場を持った最初の頃、4坪の掘っ建て小屋の傍のパタパタはためくシートの下で石を彫っていたのだったなあ。何度もガハクと増築を繰り返して今がある。この形に辿り着くまでの必然を考えている。(K)

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