2018年7月25日水曜日

号泣する子

作者にクレームを付けたシーンを描き始めてみたら、けっこう描き甲斐があって面白い。いろんな想いが浮かんで来るのはどうしてだろう?そうかあ、ここが核心の部分なんだな。理不尽な出来事、受けとめられない事実に人は号泣する。あるいは沈黙する。叫ぶ人もあるだろう。子供が読む本に子供が背負えない過酷な運命を書いていいのかと、トラウマになるから書き直したらどうかと言ったのだけれど。

今日は山で亡くなった友の命日だ。あれから45年経った。雪渓を降りて来る部員たちの足取りのこわばりと重さを思い出す。突然の死が怖かったんだな、あんなに泣いたのは。

弱い者が訴えようもない苦しみを空に叫ぶとき、その声はきっと天に届くだろう。嘘つきがどんなに繁栄を誇っていてもすっかり忘れられてしまう日がやがて来るそうな。あんなに鮮やかな花をなぜそのまま描けないのだろうと不思議に思っていたが、彼らにはあの美しさが見えないらしい。(K)



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