2020年10月14日水曜日

鳥のような無個性な顔

鳥の顔に個性はないが、どの小鳥も可愛らしい。小鳥のように美しく端正で隙のない形にしたいと思いながら、砥石とサンドペーパーとヤスリを駆使しながらこの子の顔をいじっていた。すると、だんだん無機的だった目に生気が宿ったように感じた。こんなに小さな顔だと、少し影が強くなるだけで表情が変わる。ペーパーで擦っただけで柔らかな頬になる。絵のようだ。こういうことをずっとやっていてもいいんだなと思えた。すると焦りが消えて、またこの先のことを希望を持って見渡せる。この続きを楽しみに思うと道も見えて来る。ガハクの顔の砥石の当て方を工夫してみよう。石の中にある色は一色じゃないのだから。艶と色だけじゃなくて、濃さと深さが出せたらなあ。これから長期戦になるはずの地道な作戦を考えている。(K)



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