2019年11月20日水曜日

花の底


掌をそっと彫っている。そこは重い石の底面だから動かす時もそっとやらないと指が欠けそうだ。それでも指を花びらのように彫れそうに思えて来たから、今夜は最高な気分。

自分が思うように好きなように彫っていいのだと分かっていても、実際にやれるようになるまでには色んなものが剥奪されねばならなかった。彫り直してすっかり変わったこの彫刻のいちばん美しい場所がここ、花の底、光が集まる場所だ。(K)




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